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夕張市“破たん”の原因はマーケティングと当事者意識の欠如 -2006年7月27日
 「夕張メロン」「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」などで有名な北海道夕張市は6月末、財政再建団体申請を表明。一般企業なら“倒産”と同じ状態に陥った。かつては炭鉱のまちとして栄え、1960年には11万人超の人口を数えたが、現在は1万3000人前後と大きく落ち込んだ。債務総額は632億円前後。単純に考えると、市民一人あたり480万円の負担になる。市の一般財政規模が45億円前後ということからも、負債の深刻さがうかがえる。

設置2年目以降を加味したプランの構築が必要

 破たんの原因は、一般企業でもありがちな過大な設備投資と放漫経営。「炭鉱から観光へ」と「夕張メロン城」などのテーマパークの設置、ホテル、スキー場を民間から買収と、次々と“箱物”を整備したが、債務もそれに伴い雪だるまのように大きくなった。
「施設をつくりさえすれば、観光客が集まる」。夕張市の考えはあまりにも安易だったと思われる。これは単なる“幻想”に過ぎない。
観光施設をつくれば、オープン当初は人が集まるものだ。しかし、どんなに魅力的な施設でも、2年目以降は客数が落ち込むことは、もはや“宿命”ともいえる。この点をしっかりと加味してマーケティングプランを練る必要があるだろう。
 これは、2年目を過ぎてから対策を考えていては既に遅過ぎる。慌ててアトラクションを増設したり、TVコマーシャルを打っても、お金がかかるだけで大きな効果は見込めない。「リピーターを増やすにはどうすればよいか」「地元の人たちをいかに大切にするか」を、オープンの段階から考えなければならない。
 東京ディズニーリゾートの例をみてみよう。従業員教育を徹底し、顧客にいつでも初めて味わうような感動を与え続け、リピーター確保に努めている。また、地元の千葉県浦安市民にプレオープンの優待券を配り、一足先に施設に招待している。成功しているテーマパークは、2年目以降の対策をきちんと打っているのだ。
 テーマパークを設けて町おこしを図っている地方自治体は多い。ただ、こうしたマーケティングの発想を持つケースは非常に少ないといえる。

資金がどこから出るのか考えずボーナスアップ

 夕張市破たんのもう一つの原因は、責任所在のなさにある。計画性がないまま次々と箱物をつくり、借金をふくらませ、借り換えを重ねるというやり方は「資金はどこから出ているか」「だれが負債に対して責任を負うのか」という発想がすっぽり抜けている。市長をはじめ市職員のだれにも当事者意識がないのだ。
 報道後、夕張市は今夏の職員のボーナスで前年を上回る金額(平均75万5000円)を支払っていたことが発覚。これこそ、「だれが資金を出すのか」という当事者意識がまったくない例の極みといえよう。一般企業ではありえない話だ。
「地方自治体と一般企業は違う」と対岸の火事のように考えてはいけない。マーケティングの発想を持たず、責任のなすり合いを続けると、一般企業でも、夕張市のように極端ではないまでも思わぬ悲劇を招く危険性がないとはいえない。
 
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