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中央青山ショック”に学ぶ顧客選別の大切さ -2006年7月3日
 大手監査法人・中央青山監査法人の公認会計士が、企業の粉飾決算に加担し、逮捕起訴されたことを受け、金融庁は7月1日から2ヵ月間、上場企業の監査業務などを停止する命令を下した。決算内容を粉飾するという、投資家の信頼を裏切った行為は、会計業界内外に波紋を広げている。
 監査法人の顧客は監査を依頼する企業にあたる。中央青山は、顧客から「決算を体裁よく整えてくれ」と頼まれたことになる。“厄介な客に付き合わされ、なすがままに従った”ようなものだ。

大企業と創業したての企業は顧客を選べない?

 企業が成長する過程を顧客の中身で追ってみる。まず、創業したばかりのころは「何が何でも顧客が欲しい」と、比較的「来るもの拒まず」の姿勢で顧客を増やす。
それこそ「商品1個だけ」という顧客にも、平身低頭で奉仕せざるを得ない状況かもしれない。創業したばかりの零細企業から大企業へと規模が拡大
過程をみてみよう。

 顧客が増え、年商規模がアップするにつれ、顧客の層も「商品を1個だけしか買わない先」から「商品をまとめて何ケースも買ってくれる先」まで多彩になる。すると「商品を1個しか買わない先」は効率が悪い。手間がかかり、厄介に感じてしまう。このときに必要となってくるのは「付き合いたくない顧客を切る」という決断だ。大企業へのステップアップを図る前段階だからこそ「顧客を選ぶ」という行為が可能になるともいえる。大企業まで成長すると、顧客の幅広いニーズに対応することに心血を注ぐ。
 それに伴い、事業内容が多彩になる。多くの人員を擁し、バリエーションの広がりを可能にさせる。しかし、裏を返すと、大企業ほど「顧客を選べない」立場にあるという見方もある。
これらの点を考えると、実は、中小企業こそ顧客を選別しやすいポジションにあるともいえないだろうか。

注文が多い顧客は優良顧客なのか?

「あれこれと注文が多い顧客」。どんな企業にも必ず存在する。
しかも、総じてそんな顧客に限
って客単価が低かったりするという傾向がある。
 マーケティングの理論の一つに「80対20の法則」というものがある。
「利益の80%は、上位20%の優良顧客がもたらす」「仕事にかける時間の80%を、上位20%の優良顧客に費やせ」といった内容だ。
 つまり、どの顧客に対しても均一の力を注ぐのではなく、顧客を区別し、採算性が高い顧客を大事にすべきなのだ。
採算性が低い顧客との関係を断ち切るには、大きな勇気がいる。
「どんなに採算がとれなくても、創業以来の付き合いだから……」という“情”がついつい入ってしまう。しかし、そのような考えは企業が成長するにあたってプラスにならない。経営者の立場ではこうした状況で「厳しい判断」をしなければいけないこともある。
 エビ、カニなどの甲殻類の動物が成長段階で脱皮するように、企業も規模に応じた取引先を選び、そうでない先とは袂を分かつことが求められるのかもしれない。
 
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