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新会社法で何がどう変わるのか? -2006年5月1日
 今年5月にいよいよ施行される新会社法。巷ではさまざまな書籍が出版され、情報があふれている。
 今回は「新会社法って言葉は分かるけど、何がどうなるのかはよく分からない。でも、いまさら人に聞けない」という経営者に向けて新会社法についての考え方について簡単に解説する。

選択肢の多様化を社員食堂に置き換える

 まず大きなポイントは「選択肢の多様化による差別化」。
従来は小さい会社、大きい会社それぞれに機関の設定について規定されているが、新会社法では自由に決められるようになっており、その判断は会社、経営者に委ねられる。
 こうした選択肢を用意することで、すぐれた企業が自由に伸びる=企業の差別化が進むものと考えられる。
 分かりやすい例を挙げると、新会社法の施行は、社員食堂のメニューが定食からカフェテリア方式に変わるようなものといえる。
 これまでの商法の規定を社員食堂に例えると、社員全員が同一メニューの定食を出されるようなものだった。
 ところが、カフェテリア方式だと、すべてのメニューを自由に組み合わせられる。とんかつを選ぼうと焼き魚を選ぼうと、ご飯を茶碗で食べようとどんぶりで食べようと、サラダを追加しようと、食後にコーヒーを飲もうと、自分の腹具合、財布の中身次第で好きにできるのだ。
 ただし、これには落とし穴がある。「あれも食べたい、これも食べたい」と料理をあれこれトレーにのせると、お腹を壊し、財布の中身がさびしくなる。
あるいはメニューを控えめに選んだことで、食後に、パワーが出なかったりするからだ。
 新会社法では、ここの選択が自己責任になる。他の会社ではメリットになる箇所が、別の会社にはデメリットにもなりかねないのだ。
 選択肢の多様化は、言い換えれば、判断に対する責任が求められることだ。

自社に合わない選択はかえって泣きをみることに

 例えば一般的にメリットといわれる「取締役の任期は2年が原則だが定款に定めれば10年まで伸長できる」という規定をみてみよう。
2年ごとに法務局で登記をし直すのは費用も手間もかかる。それを10年間そのままでいいというのは魅力的に思われる。
 しかし、そのメリットが享受できるのは、取締役が自分一人というケースのみ。ほかに役員がいれば、万一内紛が起きたときでも解任できなくなる。無理やり解任すれば、残りの任期の役員報酬について損害賠償が発生するというリスクも発生しかねない。
 こうしてみると新会社法施行でほとんどの会社が定款の見直しと整備を迫られることになるといっても過言ではない。
今からでも自社の「腹具合と財布の中身」を把握し、適切な“メニュー”を選んでいただきたい。
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